校正という用語について、日本工業規格(JIS Z 8103-2000)では、以下のように定義されています。
『計器又は測定系の示す値,若しくは実量器又は標準物質の表す値と,標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業。』
測定器も経年変化があり、常に購入時の状態を保てるわけではありません。
その経年変化等による誤差が測定に影響しないように、定期的に校正によって誤差を確認し、状況に応じて調整などをする必要があります。
定期的に校正を行うことにより、常に測定器を良い状態に保て、調整なども比較的簡単に行えるため結果としてメンテナンスコスト削減にも繋がります。
例えば、長期間放置し測定面にサビが入り込んでしまった状態では、研磨によってサビを落とさなくてはなりません。大きな傷やサビが発生していなければ簡単な調整程度で済みますので、納期も早く費用も安価になります。
では、校正はどれぐらいの周期で行えば良いのでしょうか。
ISOやJISで校正周期については定められていません。基本的にはユーザー様がその周期を決めて運用することになります。
しかし、上記の理由などから弊社では1年から3年の周期で校正を行うことを推奨しています。
弊社では精密水準器の校正検査項目(校正ポイント)をJIS規格(JIS B 7510)に基づき下記の通り定めています。測定方法については、性能及び性能測定方法をご覧ください。
測定項目 | 平形水準器 | 角形水準器 |
1.指示精度 |
〇 |
〇 |
2.底面、側面及び上面の平面度 | 〇 | 〇 |
3.V溝をもつ平面とV溝とがなす角度 | 〇 | 〇 |
4.底面と側面の直角度 | - | 〇 |
5.底面と上面とがなす角度 | - | 〇 |
※平形水準器の「2.底面、側面及び上面の平面度」は、底面の平面度のみとなります。